法政大学春のライブ　～1988年5月その1～ - 酒飲み親父の自分史　｢昔ロックしてた俺へ｣

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新型コロナのため家にいる時間が多くなった。
やることも無いので部屋の整理をしていると・・・

昔の手帳が出てきた。
1985年から2010年まで。

あの頃はスマホどころか、ガラケーも無い時代で、予定は手書きで手帳に書いていたのだ。
2010年以降はきっと携帯に予定を打ち込んだためにないのであろう。

さて、ちょっとだけ手帳のなかを覗いてみるか。

1988年、私は就職して3年で退社、仕事もせずに新宿でバンド活動をしていたのだ。

1988年 5月2日渋谷ＥＧＧＭＡＮ　0：00
5月7日法政大学　13：00入り
ＥＧＧＭＡＮオールナイト出演。
法政大学春のイベント出演。
ん？あああ思い出した。時を戻そう。

５月２日、ＥＧＧＭＡＮのオールナイト・イベント「ストリート・ロッカーズ」に出演した。
ＥＧＧＭＡＮに出るのは初めてだった。
コロンビアレコード系列であるこの店は、自社のデビューしたミュージシャンのリサイタルが主な出演者だったが、新人バンドの育成にも力を入れ始めた。
インディーズバンドブームが後押しとなって来たのだろう。
やっている本人には、バンドブームなんてものは実感出来なかった。
しかし、今思えば、宝島などの雑誌やロック年鑑に載ったりしていたので、バンドブームは来ていたのだろう。

この日はパーティー形式なので、リハーサルも無かった。
ドラムも、もちろん使い回しだ。
使い回しのドラムの時は、基本的なセットならば問題ないが、個性的なセットの場合はやりにくくなる。
少し前のメタルブームの時は、コージーパウエルばりの、２６インチツーバスセットを借りた時には、ハイハットに足が届かない時もあった。

夜に渋谷に集合し、缶ビールを飲みながら店の搬入口で出番までたむろっていた。
やはりパーティーの時は、楽屋に入れるのは出番直前なのである。
近くに酒屋があって、缶ビールの自販機があったと思う。
昔は、自動販売機で24時間缶ビールが買えたのだ。

ＥＧＧＭＡＮは地下の店なので、ラママ同様ステージ前に柱があった。
ビルを支える基礎柱なのでどうしようもないが、邪魔なのである。
本番が終わると、再び搬入口でたむろした後、公園通りを下って飲みに行った。
夜中なのでやっている店は少なかった。
なんだか、居酒屋を探すのに手間取って、京風居酒屋に行った。
この後の事はさっぱり覚えていない。

５月７日、法政大学の春のイベントで、大ホールに出演した。
前回は秋の学園祭で、野外での演奏だったが、今回は屋内の学生会館大ホールだ。

昼過ぎに法政大学に着くと、案内の学生が控室に案内してくれた。
応援団の学生らしく、とても丁寧に俺達をＶＩＰ扱いしてくれる。
控室も1バンド1部屋と待遇が良かった。
飲み物も用意されていた。

大ホールは急な階段席になっていて、千人くらいは入るだろう。
お客は開演前には六分くらいの入りだった。
演奏をしたのはまだ明るい時間だった。
ドラムは自分のを持って行ったのかな。
広く天井が高いホールは、ナチュラルエコーがかかって気持ち良く叩けた。
お客さんの反応のいいライブだった事を覚えている。
演奏が終わっると楽屋を出て、観客席の上段で他のバンドの演奏を観た。

この日のトリは山口富士夫＆TEARDROPSだった。
山口冨士夫は黎明期の日本のロックを語る時には外す事の出来ない、元村八分のメンバーである。