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酒飲み親父の自分史 「昔ロックしてた俺へ」

酒飲み親父が昔の手帳を見て半生を振り返るブログ

デモ録リハーサル ~1987年4月その5~

 はじめてのレコーディング

新型コロナのため家にいる時間が多くなった。
やることも無いので部屋の整理をしていると・・・

昔の手帳が出てきた。
1985年から2010年まで。

あの頃はスマホどころか、ガラケーも無い時代で、予定は手書きで手帳に書いていたのだ。
2010年以降はきっと携帯に予定を打ち込んだためにないのであろう。

さて、ちょっとだけ手帳のなかを覗いてみるか。

1987年、私は就職して3年目、それと同時に新宿でバンド活動をしていたのだ。
この頃はMGと言うバンドに参加していた。

 

1987年 4月26日~4月30日 渋谷Nスタジオ
5日間同じスタジオに通っている。
ん?あああ思い出した。時を戻そう。

 ライブに音楽関係者が観に来る様になった。
インディーズのバルコニーレコードの担当者とは、渋谷のラママのライブの後に話をしたと思う。
後日デモテープを録る事になった。
渋谷のNスタジオを5日間押さえてあるという。

4月26日、この日は音を出さずに、夜のうちに機材だけを搬入する。
渋谷のNスタジオは渋谷警察署を越えた並木橋交差点付近にあった。
ここは昔は貸スタジオで何度か利用した事があったが、この頃は改装してプロ用のリハスタジオになっていた。

エレベーターで6Fまで昇る。
スタジオは2つあった。
手前の大きい方のスタジオでは、忌野清志郎バンドがリハーサルをしているという。
ガラス越しに覗いてみると、スタジオには機材だけで人はいなかった。
清志郎と会えなかったのは残念だった。
我々は夜中にスタジオを使っていたからなのだろう。
しかし、なんだかメジャーが近づいて来た感じがした。


1987年は清志郎がRCサクセションと同時にソロ活動を始めた年だ。
2月にアルバム「RAZOR SHARP」をリリース。

RAZOR SHARP

RAZOR SHARP

  • アーティスト:忌野清志郎
  • 発売日: 1987/02/25
  • メディア: CD
 

 3月にはツアー「KIYOSIRO IMAWANO SOLO TOUR」を行っている。
6月にこのツアーの中野サンプラザ公演がライブ盤「HAPPY HEADS」としてリリースされている。

HAPPY HEADS

HAPPY HEADS

 

 4月末のNスタジオでのリハーサルは、まさに、このツアーのためのリハで間違いないだろう。

 

さて、録音するスタジオは清志郎バンドのスタジオよりも少し狭い部屋だった。
しかし、ミキサールームには立派な機材が並んでいる。
スタジオに入ると、早速ケースからドラムを出してセッティングした。
今日は音を出さないので、空いたケースを機材車に戻して終了だ。
自分のドラムセットをスタジオに置きっぱなしにするのは初めてだった。


翌日から4日間、デモテープ録りのリハーサルが始まった。
ドラムに太ったオジサンがマイクを立てはじめた。
この人がこれから長い事お世話になるプロデューサーのKさんだった。
ニコニコ笑顔で大黒様みたいな顔をしていた。

マイクを立て終わるとサウンドチェックが始まる。
まずバスドラから、タムタム、スネアと単独で叩き、最後は全体でリズムを刻む。
自分のドラムセットなので、万全のはずだった。
ここまではライブ同様なので余裕だった。

他のパートのサウンドチェックも終わり、いよいよ曲を演奏する。
この時は、ヘッドホンを被らずに演奏した。

数回練習した後、録音が始まった。
この時はマルチではなく一発録りをしたのだと思う。
演奏した後、ミキサールームで聞いてみる。
しかし、録音した音は酷いものだった。

バタバタしてリズムが安定していない。
もう一度、演奏してみる。

今度は迫力が無く、疾走感が全くない。
うまく終えようとして守りに入っているのだ。

この4日間は何度やってもうまくいかなかった。

翌週には、本番のデモテープ録りを行う予定だ。
この時はマルチトラックで録る。
ますます、アラが見えて来そうだ。

ライブで鍛えてきた自信が揺らいできた。


ーつづくー