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酒飲み親父の自分史 「昔ロックしてた俺へ」

酒飲み親父が昔の手帳を見て半生を振り返るブログ

三ノ宮高架下商店街 ~1991年6月その2~

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新型コロナのため家にいる時間が多くなった。
やることも無いので部屋の整理をしていると・・・

昔の手帳が出てきた。
1985年から2010年まで。

あの頃はスマホどころか、ガラケーも無い時代で、予定は手書きで手帳に書いていたのだ。
2010年以降はきっと携帯に予定を打ち込んだためにないのであろう。

さて、ちょっとだけ手帳のなかを覗いてみるか。

1991年、私は「伊太地山伝兵衛商会」と云うバンドに参加していた。

 

1991年
6月15日 六本木
6月16日 茅ヶ崎 R'sステージ
6月17日 平塚 マハリク
6月18日 神戸 セカンドチャンス
6月19日 撮影
6月21日 高円寺稲生座
湘南から再び神戸へ。
ん?あああ思い出した。時を戻そう。

18日の朝、平塚を出発し、再び神戸へ向かう。
東名高速から名神高速への道は慣れたものだった。
まずは、浜名湖で休憩。
湖が見えるこのパーキングには、必ず寄っていた。
次は、愛知県の上郷パーキングエリアで食事をする。
ここでのメニューだが、俺は決まって家康御膳だ。
名古屋名物が3つ入った豪華な定食だ。
おかずは、海老フライ、味噌カツ、きしめん、だったかな。
さらに走って、大津パーキングエリアでは、名物キツネうどんを食べる。
ゆっくり休憩しながら、午後には神戸に着いた。
平塚からなので、渋滞が無いのである。


今夜のライブ会場のセカンドチャンスに機材を運んで、リハーサルをする。
その後、本番まで、時間を潰さなければならない。
他のメンバーは、パチンコ屋へ。
パチンコ屋は、どの街にでも有るのでとても便利だ。

俺は、パチンコをしないので、1人で散歩をする。
一つだけ偉かったのは、決して飲みに行ったりしなかった事だ。
アルコールが入ると、途端に足が動かなくなるからだ。

俺が神戸でよく行ったのは、三ノ宮駅から元町駅まで続く、高架下商店街だった。
今は「ピアザ神戸」なんて名前を付けて小綺麗になっているが、昔は闇市の様であった。
蒲鉾型の天井の下にウナギの寝床の様な通路が続く。
その両側に、小さな店が並んでいる。
シャッターの閉まっている店も多いが、マニアックなジーンズ屋、オバチャンの為の洋品屋、電気のジャンク屋(壊れた電器製品や部品を売っている)などが軒を連ね、数時間は時間を潰せる。

 

中学生の頃の俺は、毎週秋葉原に通う電気オタクだった。
俺が一番最初に手に入れたラジオは三菱電機製のFIC404、ジーガムと云うBCL用の物だった。

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ジーガムは、当時流行っていた海外の短波放送を聴くためのラジオだ。
ソニーのICF5800、スカイセンサーと共に代表的な製品だった。
これは、中学生の時の夏休みに、祖父がいた室蘭で買ってもらった物だ。
よくもまあ、あんな北海道の田舎の小さな電器屋にマニアックなラジオが売っていたものだ。
埃を被った箱を見つけた時は信じられなかった。
しかし、ラジオの回路には、当時最新のダブルスーパーヘテロダイン方式を採用した感度抜群のラジオなのだ。
俺は、中学生の頃、こいつで南米アンデスやドイツの日本語放送を聞いていた。
ダイヤルを回して、放送をキャッチした時の興奮がやめられないのだ。

その後中学生の後半は、アマチュア無線の免許を取って、無線を始めた。
俺が持っていたのは、トリオ製のTS520Xとナショナル製のRJX601だ。

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RJX601はハンディタイプなので、友人との電話代わりに使っていた。(アンテナは1.5mもあったけど。)

使わなくなってからも、手放す事が出来ず、ずっと家に置いてあった。
こういった古い無線機は、売ってもほとんどお金にならない。
最後は、誰かにあげてしまった。

 

ここ三ノ宮高架下商店街に来れば、その当時のラジオや無線機が置いてある店がある。
古い真空管式の物を見つけると、思わず買ってしまいたくなる衝動にかられる。
憧れの、ドレークやコリンズの海外製トランシーバーを見たり、生産終了の井上無線機のIC71など、ここに来れば見つける事が出来た。

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薄暗い高架下にいると、今何時なのか時間の感覚がなくなった。


そうこうしている間に、三ノ宮の隣の駅の元町に着いてしまう。
おっと、もうライブ本番に戻らなければならない。


神戸は、俺の好きな物が溢れる大好きな街だった。


ーつづくー