ハートビーツとの思い出 ～1987年4月その1～
新型コロナのため家にいる時間が多くなった。
やることも無いので部屋の整理をしていると・・・
昔の手帳が出てきた。
1985年から2010年まで。
あの頃はスマホどころか、ガラケーも無い時代で、予定は手書きで手帳に書いていたのだ。
2010年以降はきっと携帯に予定を打ち込んだためにないのであろう。
さて、ちょっとだけ手帳のなかを覗いてみるか。
1987年、私は就職して3年目、それと同時に新宿でバンド活動をしていたのだ。
この頃はＭＧと言うバンドに参加していた。
1987年 4月7日 新宿ロフト
<爆走ロック・ドライヴィンクレイジー>
ＭＧ/ＪＳＷ <ゲ>JOHNNY & TROUBLE MAKER(exハートビーツ)
ＭＧ主催のライブである。
ん？あああ思い出した。時を戻そう。
かねてからのＪＳＷの希望を叶えて、新宿ロフトで対バンの企画を組んだ。
ゲストには、元ハートビーツのギタリストだったJOHNNYのバンドに出てもらった。
ＪＳＷは新宿ロフト初登場である。
気合を入れて観客を動員したのだろう。
お客さんはけっこう入っていた。
演奏後、ロフトの階段でお客さんと嬉しそうに笑い合うカズヤの姿が目に焼き付いている。
打ち上げでは、ＪＳＷは勿論、元ハートビーツのメンバーとも一緒に飲んだ記憶がある。
SHYも観に来ていたのだろう。
沖縄人の彼らは、飲んだら陽気で踊りだす。
そして、騒ぐのが大好きだ。
沖縄は米軍がいるせいでステーキの値段が安いらしく、東京では高くて肉が食えないと愚痴をこぼしていた。
「沖縄に来ればいくらでも肉を食わせてやる」が、彼らの口癖だった。
ハートビーツには本当にお世話になった。
そこで、今回は彼らの話をしたいと思う。
ハートビーツは沖縄出身のロックンロールバンドである。
メンバーはSHY(Vo)、JOHNNY(G)、TAKAＣ(B)、AKIO(Dk)の4人組だ。
米軍仕込みの古き良きダンスロックンロールが得意だ。
タイトなリズムとSHYのノリノリのボーカルが小気味良い。
ハートビーツは1979年に沖縄県那覇市で結成された。
1982年9月にコロムビアレコードよりメジャーデビュー。
1stアルバムは「DANCE THE NIGHT AWAY」。
1stシングルは「MATILDA」。
1983年2月に2ndアルバム「CRAZY DANCE」をリリース。
2ndシングル「MIDNIGHT CALL」。
俺が出会った1985年頃はバリバリ新宿ロフトに出演していた。
アンコールは決まって「MIDNIGHT CALL」。
俺は最前列で歌って観ていた。
打ち上げにも参加して仲良くなった。
その後、SHYは1987年の俺達ＭＧのレコーディングにもコーラスで参加してくれるのである。
しかし、ハートビーツは1986年に解散してしまう。
現在、ギターのJOHNNYは沖縄に帰り、JOHNNY宜野湾と改名し、イベント、TV、ライヴなど幅広く活動中。
ヴォーカルのSHYも全国各地で精力的にソロ活動中と聞いている。
頑張って欲しい。
応援してます。
ハートビーツとの思い出を一つ。
SHYに誘ってもらい、相模湖の先の渓流のマス釣り場に行った。
朝、7時位に新宿でハイエースに拾ってもらった。
車3台で行ったから、総勢10数人いたかな。
10時釣り堀に到着。
川を堰き止めた釣り堀なので、誰でも釣れるはずだ。
早速、竿を持って渓流に。
缶ビールを片手に、餌のイクラを針に付ける。
腰をおろして浮きを睨む。
ハートビーツのメンバー達は、あっちでも、こっちでもニジマスを吊り上げる。
子供みたいに、キャッキャッ言って大騒ぎだ。
しかし、俺の浮きは一向に沈まない。
釣れているJOHNNYの横に移動して竿を投げる。
いつかは釣れるだろうと思い浮きを見つめる。
時間だけが経っていった。
増えるのはビールの量だけだ。
信じられない事に、俺は1匹も釣れないまま、終了となった。
SHYは「魚に嫌われた男だ」と大笑い。
結局優勝したのはJOHNNYだった。
各自、釣ったニジマスを焼いてビールを飲みながら食らう。
皆、自分の釣った奴を焼いているが、俺はゼロだ、
可哀そうになったメンバー達は、俺にニジマスを恵んでくれた。
さすが沖縄人、心があったかい。
旨い。
昼間に飲むビールとニジマスは相性抜群だ。
うわー、酔っ払った。
朝から飲んでいるので泥酔だ。
帰りのハイエースでは、ほとんど寝ていた気がする。
新宿で降りても酔いが醒めず、この日の夜にあったバンドの練習をキャンセルする羽目になった。
本当に申し訳ない。
この頃から、酒飲み親父と呼ばれ始めた様な気がする。
ーつづくー
