夏のツアー(中津江村から宮崎へ) ～1991年8月その12～
新型コロナのため家にいる時間が多くなった。
やることも無いので部屋の整理をしていると・・・
昔の手帳が出てきた。
1985年から2010年まで。
あの頃はスマホどころか、ガラケーも無い時代で、予定は手書きで手帳に書いていたのだ。
2010年以降はきっと携帯に予定を打ち込んだためにないのであろう。
さて、ちょっとだけ手帳のなかを覗いてみるか。
1991年、私は「伊太地山伝兵衛商会」と云うバンドに参加していた。
1991年
8月 1日 京都アザーサイド
8月 2日 大阪ニコチャン堂
8月 3日 神戸ステラ
8月 4日 六甲山カンツリーハウス
8月 5日 移動
8月 6日 移動
8月 7日 湯布院
8月 8日 大分ブリックブロック
8月 9日 天ケ瀬 水光園
8月10日 中津江 松原ダム
8月11日 宮崎ひまわり荘
8月12日～16日 フリータイム
8月17日 奄美大島
8月19日 加世田
8月20日 鹿児島Ｔ－ＢＯＮＥ
フォーク系バンドは夏のツアーが稼ぎ時だ。
ん？あああ思い出した。時を戻そう。
中津江ミュージックフェスティバルの宿舎の公民館で目覚めると、俺の身体はとんでもない事になっていた。
昨晩は、1杯やった後に、布団代わりに座布団を敷いて寝たのだが、朝起きるとダニやら南京虫に全身が食われていた。
痒さが尋常じゃない。
二つずつ均等に噛まれた跡があった。
痒み止めを貰って、身体中に塗りたくった。
本当に何日間も痒みがおさまらなかった。
体を掻きながら、朝食の弁当を食った。
そして、中津江村から宮崎を目指した。
この夏のツアーは、毎日天気が良かった。
雨に降られた覚えが、奄美大島以外にない。
さて、中津江村から宮崎に行くならば、普通は天ヶ瀬に戻り、天ヶ瀬か日田から高速に乗り、鳥栖インター経由で宮崎に向かうだろう。
このルートでも、宮崎までは4時間はかかる。
しかし、伝兵衛商会は、中津江村から阿蘇山のふもとを経由して熊本を目指す。
最短距離で安上がりだからだ。
雄大な阿蘇山の外輪山を走る。
熊本までは、約2時間。
もう昼を過ぎていた。
熊本からは、九州自動車道に乗って、宮崎に向かった。
宮崎で出演するのは、前回宿泊させてもらった、ひまわり荘である。
このホテルの大広間で、桑名晴子さんデュオとのジョイントコンサートが企画されていた。
宿泊もこのホテルである。
到着してチェックインすると、すぐに機材を運んだ。
桑名晴子さん一行も、中津江村から宮崎を目指しているはずだ。昨晩は、我々とは別に、ホテルで宿泊していたと思う。
現場の宮崎のひまわり荘で、桑名晴子さん一行と落ち合った。
リハーサルを終えると、各自自分の部屋に戻り、出番まで部屋で過ごした。
シャワーを浴びて、ベッドで横になって出番を待った。
とても快適な控室である。
本番の時は、ドラム用の運動靴をリハーサルの時にドラムの椅子の下に置いて、大広間にはスリッパで行った記憶がある。
晴ちんバンドには、マンドリンブラザースが同伴していた。
大分のブリックブロックでの演奏と同じ内容で、伝兵衛商会が先に演り、後から晴ちんが出て来たと思う。
打ち上げは、もちろん、広島通りの焼き鳥「鉄砲」である。
名物店長がもてなしてくれた。
しかし、俺はこの時も、ずっと体を掻いていた。
本当に、痒かった思い出しかない一日だった。
ーつづくー
