YES来日公演 ~1988年4月その1~
新型コロナのため家にいる時間が多くなった。
やることも無いので部屋の整理をしていると・・・
昔の手帳が出てきた。
1985年から2010年まで。
あの頃はスマホどころか、ガラケーも無い時代で、予定は手書きで手帳に書いていたのだ。
2010年以降はきっと携帯に予定を打ち込んだためにないのであろう。
さて、ちょっとだけ手帳のなかを覗いてみるか。
1988年、私は就職して3年で退社、仕事もせずに新宿でバンド活動をしていたのだ。
この頃はMGと言うバンドに参加していた。
1988年 4月7日 YES 代々木
YESの来日公演だ。
ん?あああ思い出した。時を戻そう。
この年の春、 ピンクフロイドとYESがほぼ同時期に来日した。
公演場所も同じ国立代々木競技場第一体育館である。
ピンクフロイドは3月初め、YESが4月初めだ。
仕事を辞めて金の無かった俺は、どちらか一つを選ばなければならなかった。
ピンクフロイドは高校時代からのファンで、「狂気」は死ぬほど聴きまくっていた。
YESはロンリーハートが売れて、今が旬だった。
迷った挙げ句、俺はYESを選んだ。
後から、ピンクフロイドを観た友人の話を聞くと、かなり良かったらしい。
両方行けば良かったと今も後悔している。
YESは言うまでもなく、70年代を代表するプログレッシブロックバンドだ。
高校生の頃は、ELPと並んでミュージックライフの表紙を飾るほどの人気を誇っていた。
しかし、プログレブームが去り、ハードロック、メダルブームが来ると、さっぱり元気がなくなってしまった。
そんななかでの久々のヒットアルバムが1983年発売の「ロンリー・ハート」なのだ。
その時と同じメンバーで作ったニューアルバム「ビッグ・ジェネレイター」をひっさげての16年ぶりとなる来日公演である。
メンバーは
ジョン・アンダーソン(ボーカル)
トレヴァー・ラビン(ギター)
クリス・スクワイア(ベース)
アラン・ホワイト(ドラムス)
トニー・ケイ(キーボード)
の5人。
ドラムのアラン・ホワイトはジョン・レノンに見い出された人物であり、イマジンのレコーディングメンバーとして名を連ねた。
その後、ビルブラッフォードの後釜としてイエスに参加したドラマーだ。
一度は見ておきたいドラマーだった。
プログレ好きの俺は、この公演を楽しみにしていた。缶ビールを片手に原宿に向かった。
駅から歩道橋を渡り、いよいよ代々木第一体育館に入る。
席はアリーナ前方の右寄り、悪くはなかった。
客電が落ちると大歓声。
演奏が始まると同時にステージが照明の光で浮かび上がった。
一曲目は
「Rhythm Of Love」
ニューアルバム「ビッグ・ジェネレイター」からの曲だ。
公演の前半は新しい「ビッグ・ジェネレイター」と「ロンリー・ハート」から。
後半は往年の名曲といった構成だった。
中盤でヒット曲の
「Owner Of A Lonely Heart」
イントロが始まると、この日一番の大歓声。
アンコールは、YESの代名詞の名曲
「Roundabout」
で最高潮をむかえた。
トレヴァー・ラビンの踊るようなギター。
クリス・スクワイアの黒マントのようなロングコートもいかしてた。
アラン・ホワイトは噂通りの堅実さだった。
いいモノ観させてもらいました。
しかし、この公演の数ヵ月後にジョン・アンダーソンが脱退。
相変わらずのお家騒動である。
この日のセットリスト
1 Rhythm Of Love「ビッグ・ジェネレイター」
2 Hold On「ロンリー・ハート」
3 Heart Of The Sunrise「こわれもの」
4 Changes「ロンリー・ハート」
5 Big Generator「ビッグ・ジェネレイター」
6 Shoot High, Aim Low「ビッグ・ジェネレイター」
7 Holy Lamb (Song for Harmonic Convergence)「ビッグ・ジェネレイター」
8 Solly's Beard
9 Make It Easy
10 Owner Of A Lonely Heart「ロンリー・ハート」
11 Yours Is No Disgrace
12 Donguri Koro Koro
13 Ritual (Nous Sommes du Soleil)
14 Amazing Grace
15 And You And I
16 Starship Trooper
17 Love Will Find A Way
アンコール
18 I've Seen All Good People
19 Roundabout「こわれもの」
ーつづくー